開催概要



事業の名称

マロニエBIM設計コンペティション2021

開催趣旨

本コンペティションは、2015年に(一社)栃木県建築士事務所協会が(公財)とちぎ建設技術センターと共催で、関東地域の建築を学ぶ学生のBIM技能の向上を目指して始まりました。好評を受けて参加者の枠を全国の学生に拡大した後、さらに2019年から全国組織である(一社)日本建築士事務所協会連合会との共催となり、応募資格を実務者にも拡大して、BIMの活用によるデザインの進化を全国の様々な規模や形態の組織に広く普及促進することを目的に、地方の立場から発信してきたことが高く評価され、今年度からさらに国土交通省の国庫補助事業として福岡県、熊本県と栃木県の地域を超えた運営協力により開催することになりました。この歴史そのものにBIM活用の社会的な重要度の増大と、それがもたらす新しい共同作業の効率化やネットワーク化の理解の拡大が示されています。我々の社会情勢は、依然コロナ禍によって様々な制約や困難を受けていますが、遠隔会議などの利用が一気に拡大したことが、これまでより地域や組織の枠に囚われない社会的協業の可能性を広げていることは、昨年度のコンペティションとしてのテーマでもあり、実際に遠隔プレゼンテーションによる審査会を経験したことも大きな自信につながりました。


さらに拡大を遂げた本年度のコンペティションでは、これまでの考えをもう1段階進化させ、建築分野におけるBIMの活用により社会へ貢献する姿勢を、一般の方へメッセージとして打ち出すことを視野に入れたいと考えます。

これまで建築業界内部としてBIMはデザインや施工管理の効率化を目指すツールであるという理解が支配的でしたが、本コンペティションでは当初から、その強力なコミュニケーションのツールとしての性格が、デザイン自体の可能性を拡大し、利用者や発注者に共感を得るための新たな道具であることを意識してきました。その上でさらに重要なのが、都市や社会の活動をリアルタイムなデータの流れで調整していこうとするスマートシティのような考え方との結びつきです。建物の様々な情報が整理されて保存されているBIMデータは建物の完成後にもその利用状態のセンシングや自動制御などの技術で有効活用できることが、建築業界の外部からも注目されつつあることです。すなわち、これからのBIMは設計や施工の支援だけでなく、建築で行われる活動を支援する仕組みとして、利用や運用の方法までを総合的に革新する力で社会に役に立つ可能性があります。その重要な意義を具体的な実践とわかりやすい事例で、建築業界内だけでなく、一般の方に広めることを本コンペティションの狙いと考えたいと思います。

本コンペティションでは、社会的な問題意識と注目度の高い、被災地の復興と持続性のあるまちづくりの視点を明確に持つ熊本県上益城郡益城町にご協力をいただき、こうした重要な社会的課題を解決する新しい手段としてのBIMの可能性を示すとともに、そこに取り組む専門家としての努力と技能を評価する機会にすることを考え、「熊本県上益城郡益城町のまちづくり活動にBIMデータを役立てる方法を考える」ことをテーマにします。したがって本コンペティションで参加者に期待されるのは、実体としての建築的デザインだけでなく、その建築と同じように将来も活用し続けていくことができるBIMデータの持つ利点を考えることを重要な技術的視点として、社会の役に立ち、十分な実現性があり、そして美しさも兼ね備えた提案を示すこととなります。


当コンペティションは今年度より(一社)日本建築士事務所協会連合会主催の国庫補助事業となり、担当会を(一社)福岡県建築士事務所協会、サポートを(一社)栃木県建築士事務所協会、(一社)熊本県建築士事務所協会が担当。課題敷地を、熊本地震で甚大な被害を受け、復興の最中にある熊本県上益城郡益城町と定め、三会一丸となって進めて行く事となりました。



主催

一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会

共催

一般社団法人 福岡県建築士事務所協会

一般社団法人 栃木県建築士事務所協会

一般社団法人 熊本県建築士事務所協会

後援

国土交通省

熊本県

益城町

(公社)日本建築士会連合会

(公社)日本建築家協会

(一社)日本建築学会

建築情報学会


日時・場所

11月26日(土)公開審査

〈リモートによる開催となります。〉